【評価】Berg Balance Scaleについて

 

Berg Balance Scaleについてまとめます。

目的

対象者のバランス能力を評価します。

対象

脳卒中患者、地域高齢者、多発性硬化症、運動器疾患、パーキンソン病、脊髄損傷、前庭機能不全など様々な人に対して調査されています。

方法

0~4点で構成されるタスクが14項目あり、その合計点を用いることで測定します。

検査方法 観察
検査必要時間 15~20分
必要な機器 ストップウォッチ
アームレスト付きの椅子
測定テープ/メジャー
床から拾うモノ
ステップ台
必要なトレーニング なし
コスト 必要物品のコストのみ

特性

平均データ

施設入所の高齢者(Conradssonら、2007年)

平均  30.1 points

THA、TKA(Jogi et al ,2010)

平均 術後1週で 34 points

術後5~7週で 50 points

パーキンソニズム(Steffen and Seney、2008)

H&Y 分類Ⅰ~Ⅳで計測されるパーキンソニズムを有する地域在住高齢者
平均  50 points

パーキンソン病(Qutubuddin et al,2005)

平均 40.22 points

パーキンソン病(Brusse Kら、2005)

平均 46 points

多発性硬化症(Lemay & Nadeau、2010)

平均 47.9 points

カットオフ

高齢者(Bergら、1992)

※急性期脳卒中患者や地域で暮らす高齢者など混在。
45点未満であると転倒の危険が高いことが示されました。

高齢者(Shumway-Cook et al、1997)

転倒歴がありBBSスコアが51点未満、または、転倒歴が無くともBBSが42点未満であれば、感度91%、特異度82%の精度をもって予測できることが分かりました。本文中に記載はありませんが、計算すると陽性尤度比は5.06、陰性尤度比は0.11です。

Shumway-Cook Aらの論文より引用

また、BBSスコア < 40は転倒リスクが非常に高くなります。

Shumway-Cook Aらの論文より引用・改変

 

信頼性(そのテストが安定していて正確であるか)

内部整合性

パーキンソニズム(Steffen and Seney、2008)、パーキンソン病(Franchignoniら、2005;Scalzoら、2009)、脊髄損傷
(Wirzら、2010年)、脳卒中(Bergら、1995;Maoら、2002;Chou et al, 2006)において、優れた内部整合性が確認されております。

再テスト信頼性(同一測定者が同一被験者にテストを行った時に同じ結果になるか)

高齢者(Bergら、1992)、施設入所高齢者(Holbein-Jenny et al、2005)、パーキンソニズム(Steffen and Seney、2008 )、パーキンソン病(Leddyら、2011)、慢性期脳卒中患者(Liston and Brouwer、1996;Hiengkaewら、2012)、(Flansbjerら、2012; n = 50;平均年齢= 58(6)年;慢性脳卒中)頭部外傷(Newsteadら、2005年)にて優れた試験、再試験信頼性が確認されております。ICC=0.72~0.98。

検者内・間信頼性(同じ人が誰にやっても、異なる人が同じ検査をやっても同じ結果になるか)

高齢者(Bergら、1992)、施設入所高齢者(Conradssonら、2007年)、脳卒中患者(Bergら、1995)において、優れた検者内信頼性が確認されております。それぞれ、ICC=0.97。

施設入所高齢者(Holbein-Jenny et al, 2005)、パーキンソン病(Leddyら、2011;Scalzoら2009)、脊髄損傷(Wirzら、2010年)、脳卒中患者(Maoら、2002;Bergら、1995)において優れた検者間信頼性が確認されております。ICC=0.84~0.98

妥当性(そのテストが測定すべきものを測定しているか)

基準関連妥当性

併存的妥当性(他のテストとどの程度関連性があるか)

脳卒中においてFugl-Meyerのバランスサブスコア、Postural Assessment Scale for Stroke patients (PASS) との優れた関連性が確認されております。(Maoら、2002)

予測的妥当性(テスト後の変化等をどれだけ適切に予測できるか)

高齢者(Shumway-Cookら、1997;Bogleら、1996)、パーキンソン病(Brusse et al。2005)、脊髄損傷(Ditunnoら、2007;Wirzら、2010) 脳卒中(Maoら、2002年;Liston and Brouwer、1996;Wangら、2004)、前庭機能障害(Whitneyら、2003)において、それぞれ項目の代表的評価スケールとの間に予測的妥当性が確認されております。

構成概念妥当性(テストしようとする概念をどれだけ適切に反映しているか。 )

変形性関節症(Jogiら、2010)、脊髄損傷(Lemay&Nadeau、2010;Wirz et al, 2010;Ditunno, 2007)、脳卒中(Bergら、1992;Weeら、1999;Maoら、2002;Wangら、2004)において構成概念妥当性が確認されております。

 

応答性(変化した時にその変化を確認できるか)

脳卒中患者において、適切に応答(Maoら、2002)、大きく応答(Chouら、2006)、中等度~大きく応答(Wood-Dauphineeら、1996)するとされます。

床・天井効果

パーキンソン病において、乏しい天井効果(Leddy、2011)、脊髄損傷において乏しい天井効果(Lemay&Nadeau、2010)、脳卒中において、乏しい床効果(Maoら、2002年;Salbach et al、2001)が確認できました。床効果を示した患者については、Postural Assessment Scale for Stroke patients (PASS) を用いることで正確に評価することができました。(Chouら、2006)

臨床上重要な最小変化

未確立

推奨度

BBSの利用を、米国理学療法士協会における

脳卒中専門部会は、急性期にて推奨、回復期~維持期にかけては強く推奨しています。

脊髄損傷専門部会は、急性期~維持期まで全ての時期において、推奨しています。

パーキンソン病専門部会は、Hoehn and Yahr stage Ⅱ、Ⅲの患者には強く推奨しています。Ⅰ、Ⅳ、Ⅴの患者には推奨していません

ほぼすべての専門部会が学生にBBSについて学ぶことを推奨しております。

またそれら全ての専門部会は介入研究での利用にBBSが適していると判断しています。

参考文献

Berg, K., Wood-Dauphinee, S., et al. (1995). “The Balance Scale: reliability assessment with elderly residents and patients with an acute stroke.” Scand J Rehabil Med 27(1): 27-36.

Berg, K. O., Maki, B. E., et al. (1992). “Clinical and laboratory measures of postural balance in an elderly population.” Arch Phys Med Rehabil 73(11): 1073-1080.

Berg, K. O., Wood-Dauphinee, S. L., et al. (1992). “Measuring balance in the elderly: validation of an instrument.” Can J Public Health 83 Suppl 2: S7-11.

Chou, C. Y., Chien, C. W., et al. (2006). “Developing a short form of the Berg Balance Scale for people with stroke.” Phys Ther 86(2): 195-204.

Ditunno, J. F., Barbeau, H., et al. (2007). “Validity of the walking scale for spinal cord injury and other domains of function in a multicenter clinical trial.” Neurorehabil Neural Repair 21(17507642): 539-550.

Dogğan, A., MengüllüoGĞlu, M., et al. (2011). “Evaluation of the effect of ankle-foot orthosis use on balance and mobility in hemiparetic stroke patients.” Disability & Rehabilitation 33(15-16): 1433-1439.

Jogi, P., Spaulding, S. J., Zecevic, A. A., Overend, T. J., & Kramer, J. F. (2011). Comparison of the Original and Reduced Versions of the Berg Balance Scale and the Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index in Patients Following Hip or Knee Arthroplasty. Physiother Can, 63(1), 107-114.

Leddy, A. L., Crowner, B. E., et al. (2011). “Functional gait assessment and balance evaluation system test: reliability, validity, sensitivity, and specificity for identifying individuals with Parkinson disease who fall.” Physical Therapy 91(1): 102-113.

Lemay, J. F. and Nadeau, S. (2010). “Standing balance assessment in ASIA D paraplegic and tetraplegic participants: concurrent validity of the Berg Balance Scale.” Spinal Cord 48(3): 245-250.

Mao, H. and Hsueh, I. (2002). “Analysis and comparison of the psychometric properties of three balance measures for stroke patients.” Stroke 33(4): 1022.

Salbach, N. M., Mayo, N. E., et al. (2001). “Responsiveness and predictability of gait speed and other disability measures in acute stroke.” Archives of Physical Medicine and Rehabilitation 82(9): 1204-1212.

Shumway-Cook A, Baldwin M, Polissar NL, Gruber W. Predicting the probability for falls in community-dwelling older adults.Phys Ther. 1997 Aug;77(8):812-9.

Wang, C. H., Hsueh, I. P., et al. (2004). “Psychometric properties of 2 simplified 3-level balance scales used for patients with stroke.” Physical Therapy 84(5): 430-438.

Wirz, M., Muller, R., et al. (2010). “Falls in persons with spinal cord injury: validity and reliability of the Berg Balance Scale.” Neurorehabil Neural Repair 24(1): 70-77. Find it on PubMed

 

以上、BBSの詳細でした。

 

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