【評価】エモリー機能的歩行能力評価(Emory functional ambulation profile: EFAP)について

 

エモリー機能的歩行能力評価(Emory functional ambulation profile:EFAP)についてまとめます。

目的

脳卒中患者の歩行能力を評価します。

対象

検証された対象は脳卒中患者のみです。その他の対象者に対する利用には適しておりません。

方法

5つの異なる環境下での必要時間を測定して、その時間を合計してtotal timeを算出します。

5つの異なる環境とは?

①5m歩行(硬質床)

②5m歩行(絨毯を敷いた床)

③TUG(Timed up and Go test)

④障害物を横切る(1.5mと3.0m位置に1つずつレンガ、5.0m位置に40ガロンのゴミ箱)

⑤階段昇降(4段の昇降)

上記の5タスクの達成時間を記録し、合計時間を算出します。

装具や歩行補助具を使用した場合、また、動作介助を行った場合には、各タスクにかかった時間に適切な係数を掛けます。係数については、以下の通りです。

装具・歩行補助具
そのままの時間を適用 利用なし
×2 AFOの利用
×3 T字杖
×4 4点杖 or hemiwalker
×5 AFO + T字杖
×6 AFO + hemiwalker

AFO + 4点杖

*hemiwalker=walkercane(以下図)

方法の詳細はコチラ:https://www.youtube.com/watch?v=UMb9YZ_nLUE&t=3s

特性

検査方法 観察
検査必要時間 20分
必要な機器 ストップウォッチ
肘掛け付き椅子(座面高46cm)
メジャー
レンガ(障害物歩行の際に必要)
カーペット(長さ7メートル×幅2メートル)
40ガロンのゴミ箱(障害物歩行の際に必要)
手すり付き階段(4段)
必要なトレーニング なし
コスト 必要物品のコストのみ

方法

カットオフ

未確立

信頼性(そのテストが安定していて正確であるか)

内部整合性

未確立

再テスト信頼性(同一測定者が同一被験者にテストを行った時に同じ結果になるか)

慢性脳卒中(Liawら、2006)

ICC> 0.97

亜急性脳卒中:(Baerら、2001)

ICC>0.985

検者内・間信頼性(同じ人が誰にやっても、異なる人が同じ検査をやっても同じ結果になるか)

慢性脳卒中:(Wolfら,1999)

優れた検者間信頼性が確認されています。ICC = 0.99

亜急性脳卒中:(Baerら、2001)

優れた検者間信頼性が確認されています。

5つの課題全てにおいて、ICC> 0.985、かつ、total time のICC = 0.99

妥当性(そのテストが測定すべきものを測定しているか)

基準関連妥当性

予測妥当性

亜急性脳卒中:(Liawら、2006)

Barthel Indexに対する適切な予測妥当性が確認されています。(r = -0.52)
退院時のRivermead Index scoresに対する優れた予測的妥当性が確認されています。(r = -0.78)

併存的妥当性(他のテストとどの程度関連性があるか)

慢性脳卒中(Wolfら、1999)

10メートル歩行試験との優れた相関が確認されています。(r = -0.71〜-0.78)
Berg Balance Scaleとの優れた相関が確認されています。(r = -0.59 〜-0.60)

亜急性脳卒中(Baerら、2001)

Berg Balance Scaleとの優れた相関が確認されています。(r =-0.74~-0.70)
FAMmとの優れた相関が確認されています。        (r =-0.69〜-0.78)

予測的妥当性(テスト後の変化等をどれだけ適切に予測できるか)

亜急性脳卒中(Liawら、2006)

Barthel Indexに対して適切な予測妥当性が確認されています。(r = -0.52)
退院時のRivermead Index scoresに対する優れた予測的妥当性が確認されています。(r = -0.78)

構成概念妥当性(テストしようとする概念をどれだけ適切に反映しているか。 )

亜急性脳卒中:(Liawら、2006)

10メートル歩行試験との間に、優れた相関性が確認されています。(r = 0.88~0.93)
Rivermead Mobility Indexとの優れた相関性が確認されています。(r = -0.67;入院時-0.45、退院時-0.81)

応答性(変化した時にその変化を確認できるか)

亜急性脳卒中:(Liawら、2006、Baerら、2001)

有意に応答することが確認されています。

床・天井効果

未確立

臨床上重要な最小変化

未確立

推奨度

2011年発行の日本理学療法士協会による理学療法診療ガイドラインにおいて、グレードAの記載があります。。

まとめ

信頼性、妥当性についてValidationされており、日本理学療法士協会が出版した理学療法診療ガイドラインにおいてもグレードAとなっていますが、臨床での利用はあまり見たことがありません。カーペットの床を用意することが大変ということもありそうです。比較的簡便に実施できる評価であると思われるため、もう少し利用を検討してみても良いかもしれません。

参考文献

Wolf, S. L., Catlin, P. A., et al. (1999). “Establishing the reliability and validity of measurements of walking time using the Emory Functional Ambulation Profile.” Phys Ther 79(12): 1122-1133.

Baer, H. R. and Wolf, S. L. (2001). “Modified emory functional ambulation profile: an outcome measure for the rehabilitation of poststroke gait dysfunction.” Stroke 32(4): 973-979.

Liaw, L. J., Hsieh, C. L., et al. (2006). “Psychometric properties of the modified Emory Functional Ambulation Profile in stroke patients.” Clin Rehabil 20(5): 429-437.

 

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です