脳卒中患者におけるBerg Balance Scaleの有用性

 

脳卒中患者のバランス能力を評価しようと思った場合、どのような評価指標を使えばよいのでしょうか?

どうやったら、脳卒中患者のバランス能力を目に見える形で表現することが出来るのでしょうか?

日本理学療法士協会が2011年に発行した理学療法診療ガイドライン(脳卒中)を確認すると、グレードAで紹介されているバランススケールが5つありました。

  • Berg Balance Scale
  • 脳卒中姿勢評価スケール(Postural assessment scale for stroke patients;PASS)
  • ティネッティーバランステスト
  • ファンクショナルリーチテスト
  • 二重課題法

 

上記5つです。

この中でも、特におすすめしたいのがBerg Balance Scaleです。上記した5つの評価スケールの中でも、Validationの質が違います。しっかりと検証された評価スケールです。

Berg Balance Scaleの有用性について、簡単な質問に答える形で述べていきたいと思います。

BBSってどんな評価なの?

Berg Balance Scaleとは、対象者の動作を直接観察することで、対象者のバランス能力や転倒リスクを数値化することが出来るテストです。14の項目で構成されています。

10~20分で簡便に測定することが出来るため、広く臨床で使われています。

4点満点の項目が14項目あるため、満点は56点になります。

以下が簡単な解釈になります。

 

0~20点で車椅子移動レベル

21~40点で介助歩行レベル

41~56点で自立歩行レベル

 

採点用紙は、Internet Stroke Centerのウェブサイトからダウンロードできます。

以下のリンク先をクリックしてください。

BBS評価用紙コピー ←リンクはこちら

実際の、計測風景を知りたい方は、以下に検査を行っている動画がありますので、そちらも御覧ください。

BBSの検査風景 ← リンクはこちら

この検査動画をアップしているのは、カナダ国内に本拠地を置く、SCIRE(Spinal Cord Injury Reserch Evidence)とい公的な団体ですので、内容は折り紙付きです。

BBSは脳卒中患者の信頼できる評価指標ですか?

はい。いくつかの研究から、BBSは信頼できる評価法であると、きちんと確かめられています。

優れた内的整合性が報告されています。

エビデンス論文①

エビデンス論文②

エビデンス論文③

優れた検者間信頼性が報告されています。

エビデンス論文①

エビデンス論文②

優れた検者内信頼性が報告されています。

エビデンス論文①

優れた試験再試験の信頼性が報告されています。

エビデンス論文①

 

BBSは脳卒中患者さんの変化を検出しますか?

はい。多くの研究からBBSは脳卒中患者さんの変化に反応出来ることが調べています。

それらの研究は全て、急性期~回復期(発症90日あたりまで)の段階の変化に鋭敏であると報告しています。

エビデンス論文①

エビデンス論文②

エビデンス論文③

エビデンス論文④

エビデンス論文⑤

エビデンス論文⑥

エビデンス論文⑦

エビデンス論文⑧

BBSって、どんな脳卒中患者さんにも使えるの?

いいえ。BBSには、天井効果と床効果があることが報告されていますので、利用対象者の選定には注意が必要になります。

機能的に良好な状態であり、検査をしてしまうと満点になってしまうため能力をきちんと測定できない。このことを、天井効果と言います。

反対に、機能的障害が大きく、検査をしても全く加点されないような状態であり、能力をきちんと測定できない。このことを床効果と言います。

3つの研究で、BBSは脳卒中患者における床と天井効果があることが確認されました。

エビデンス論文①

エビデンス論文②

エビデンス論文③

このことから、BBSを使用して、重度または軽度障害の患者さんの評価を行う場合には、注意が必要になります。

 

BBSって脳卒中患者さんの転倒予測に使えるの?

いいえ。これまでの所、BBSが脳卒中患者さんの転倒リスクを予測しているという証拠はありません。

高齢者に対する転倒予測はBBSで検証されています。40点未満で転倒リスクが大きくなります。これは以下の記事を参照ください。

【評価】Berg Balance Scaleについて

2017.05.02

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